免疫力は、「質(バランス)のよい食事」「十分な睡眠」「ごく軽い運動」の三本柱をバランスよく取り入れることで、自然に高まります。
その中でも「睡眠」で体を休めることは、自律神経のバランスを整え、ストレスを減らしてくれる働きがあり、免疫力を高めるに大切な役割を担っています。
今回は、免疫力を高める睡眠とは?理想的な睡眠時間やストレスのない睡眠のコツとは?についてご紹介します。
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免疫力を高める睡眠とは?
免疫を高めるための理想的な睡眠は【目覚まし時計を使わずにスッキリ目覚める】ことです。
では、「スッキリ目覚める」ためにはどうすればいいの?と悩んでしまう人も多いかもしれませんね。
スッキリ目覚めるためには、交換神経(緊張状態)と副交感神経(リラックス状態)の2つの自律神経のバランスを上手くとることが重要になってきます。
日中に活動しているときは、交感神経が優位に立っている状態で、リラックスしている時や寝ているときは、副交感神経が優位に立っている状態になります。
交感神経、副交感神経のどちらか一方が優位に立った状態が続くと質の良い睡眠を取ることができず、スッキリとした目覚めから遠退いてしまいます。
また、寝る直前に副交感神経を優位に立たせておくことで、眠りにつきやすく、質のよい睡眠が繋がります。
尚、寝る直前までスマホやパソコン、テレビなど光を浴びることで脳が覚醒し交感神経が優位に立ってしまうため、なかなか眠りにつけなかったり、スッキリとした目覚めができなくなってしまいます。
寝る前に副交感神経を優位に立たせるには、「なるべく光を遮る」「ぬるめのお風呂に入る」などがおすすめです。
免疫を高める入浴方法は?
入浴の効果を最大限に得るには、ぬるめのお風呂につかって10分程度ゆっくりとつかることです。
ぬるめの温度とは、体温+4℃が基本になります。
ただし、体温が低い方やこの温度が熱いと感じる方は、「気持ちがいい」と思える温度にして入浴するのもOKです。
熱いお湯でさっぱりしたい方もいますが、熱いお湯では交感神経が刺激されますので、リラックス状態からはかけ離れてしまいますのでご注意を!
免疫力を高める理想的な睡眠時間は?
睡眠のリズムを整えているのも自律神経です。質の良い睡眠は、免疫力を高めるのと健康維持の基本になります。
日中活動して、夜は眠くなるという1日のリズムは、体の中の
。昼は、交感神経が優位に立って心身を緊張させ、やる気・活気をみなぎらせ、夜は副交感神経を優位に立たせ、心身の緊張をときほぐしリラックス状態に持っていきます。
その中でも、睡眠は究極のリラックスともいえる状態になります。
では、
と思われる方もいますが、それは違います。多忙で睡眠時間を多くとれない方は、心身がリラックスする状態が短いため、体に負担が大きく、健康を害する可能性が高いのは想像しやすいですね。
逆に、睡眠時間が長い場合は、副交感神経が優位に立ちすぎて、やる気・活気が出にくく、気だるいと感じてしまいます。
理想的な睡眠時間は、個人差にもよりますが、7~9時間が自律神経のバランスが整い、免疫力がアップするといわれています。
NG
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OK
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NG
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6時間以下
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7時間~9時間
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10時間以上
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緊張状態(交換神経が優位)が続くため免疫力は下がる
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自律神経のバランスが整い免疫力は上がる
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リラックス状態(副交感神経が優位)になりすぎて免疫力は下がる
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また、出来れば22時までに就寝し、7~9時間の睡眠時間を確保することが好ましいといえます。
なぜなら、22時~02時の間は、細胞を活性化させる成長ホルモンの分泌がピークを迎えるといわれます。
成長ホルモンと聞くと、子供に必要なものでと思われがちですが、大人にとっても必要な物質なんです。
ターンオーバーを活発にし体の細胞を新しくしたり、体の不具合を治したり、免疫力を上げる働きが成長ホルモンにはあります。
ですが、忙しい現代人ではなかなか22時までに就寝することは難しいものですので、出来れば24時までに就寝できるようにするのがおすすめです。
24時までに就寝する「リンパ球」が増加しますので、免疫力が上がることが分かっています。
リンパ節には、白血球のひとつであるリンパ球という免疫細胞が集中しています。
リンパ球は、リンパ節という最前基地で戦う兵士の役割を担っていますので、その数が多ければ多いほど、細菌やウイルスから体を守ってくれることになります。
逆に、リンパ球が少なければ体に細菌やウイルスが侵入してきて、風邪など病気にかかってしまいます。
また、体の中で発生する病気に対しても効果を発揮しますので、がんなどのなりにくい体づくりを手伝ってくれます。
免疫力を高めるストレスのない睡眠のコツとは?
免疫力を高める睡眠方法としては、自然(太陽)のリズムに合わせて、「日の出とともに起き、日の入りとともに寝る」というのが、最も健康的な生活といえます。
しかし、現実にはとても難しい生活ともいえます。
ですので、少なくとも季節に合わせた生活をすることで、自然のリズムに近い生活ができるように工夫するのもとても有効な方法です。
夏場は、副交感神経が優位に立ちやすい季節といわれていますので、睡眠時間は7~8時間程度がおすすめです。
冬場は、寒さなどがストレスになりやすく、交感神経が優位に立ちやすい季節になります。
人の体は、体温が一定に保たれますので、外気によって体が冷やされると体温を一定にするためにより多くのエネルギーが必要となり、その分夏場より多くの休息が必要になるため、8~9時間程度の1時間程度多く睡眠時間をとるのがおすすめです。
また、血圧によっても睡眠時間の目安が変わります。
血圧が高く、せっかちな方は少し長めの睡眠時間を、血圧が低く、ゆったりとした方は、短めの睡眠時間にするなど自律神経のバランスを上手くとるのもいいんですよ。
免疫力を高める睡眠のコツは?
こんな質の良い睡眠をしたいと思われる方はとてもたくさんいらっしゃいますが、朝は目覚ましのアラームで飛び起きるなんて方も多いものです。
少しの工夫で今までの睡眠の質を変えることができるかもしれませんので、下記にに質の良い睡眠のコツをご紹介します。
就寝前は?
就寝の30分程度前からは、「スマホやパソコン、テレビなどのできるだけ見ない」「間接照明や照明の光を落とす」など副交感神経が優位に立ちやすい状況をつくりましょう。
ただし、熱いお風呂につかると交感神経が刺激されますのでご注意を!
就寝時は?
あお向けに寝ると肺やお腹が上になり、自然と呼吸が深くなりますのでぐっすりと眠りやすくなります。
また、深呼吸する時は、「大きく吸ってできるだけゆっくり吐き出す」を意識すると効果的です。
寝具や寝室は?
ちょうどいい高さを見つけられない場合は、バスタオルやタオルなどで調整したり、枕代わりに使うのもOKです。
硬い布団のほうが、体に負担が少なく質のよい睡眠を取ることができます。
また、夜中トイレに起きた場合も明るい光を直接見ないようにすると、スムーズに寝ることができます。
目覚まし時計を使う場合は、余裕をもってセットして小さい音で起きれるようにしましょう。
突然の大音量は、一気に交感神経を緊張させるため、体への負担が大きくなってしまうので避けましょう。
いびきをかかない工夫を!
いびきとは、首についた脂肪や皮が、気管の出入り口で垂れ下がってしまうことで生じる振動音のことです。
いびきがひどい人は、この脂肪や皮が呼吸を邪魔して、十分に酸素を取り込めず深く眠ることができません。
また、脳が酸欠状態になって副交感神経が十分に働かず、免疫力低下させるなど体にとっても悪影響を及ぼしかねません。
寝る姿勢を工夫したり、ダイエットすることで解消されますので、質のよい睡眠をとれやすくなります。
睡眠時に呼吸が停止する「睡眠時無呼吸症候群」など話題になることが多いですが、いびきはこの症状の予備軍ですので、早めに改善することをおすすめします。
まとめ
免疫力を高めるために「睡眠」はとても大切な柱のひとつです。
ただし、「睡眠」だけ特化しても免疫力はあがりません。「食事」「運動」の三本柱をバランスよく整えることが免疫力を高める方法です。